キャッチボールとグラブメンテの大切さ
第6回キャッチボールクラシックの岡山大会が7月17日、倉敷市の水島中央公園野球場で行われました。2015年より、「キャッチボールクラシック」を応援しているSSKは、今大会に倉敷市のプレイスポーツとともに協賛。岡山全域から集まった少年野球34チームがキャッチボールの技術を競った大会で、ベースランニングやロングティーコンテスト、グラブメンテナンス講習会を合わせて実施し、イベントを盛り上げました。
キャッチボールを競技として楽しむ
キャッチボールクラシックは、東日本大震災をきっかけに福島の子どもたちに楽しんでもらおうと生まれた競技で、9人1組でキャッチボールの正確さとスピードを争う日本プロ野球選手会考案のゲーム。5人と4人に分かれた2チームが7m離れ、2分間でキャッチボールの回数を競います。ボールを投げると列の最後尾に移動するため、常にキャッチボールをする相手が変わり、ボールを投げる相手の身長や利き腕、技術力も変わることで、どんなボールを投げればいいか、判断力を養うことにも繋がります。
昨年の全国大会小学生の部の優勝記録は115回でしたが、今年の岡山大会の最高記録は倉敷市のレインボーズジュニアBBCの112回。レインボージュニアは1回戦、2回戦とも安定した記録を出しましたが、決勝戦で細かなミスが連続。試合ごとに記録を伸ばし、決勝で103回を記録した岡山市の御津少年軟式野球クラブが初優勝を飾りました。
今年の春は倉敷市で優勝、マクドナルド・トーナメント岡山県予選会では3位と、地力のあるレインボーズBBCでしたが、キャッチボールクラシックの優勝決定戦では実力を発揮できませんでした。「優勝のプレッシャーですかね。大きなミスがあったわけではないですが、あっちこっち散漫に投げてしまった。でも、子どもはこれだから面白いですよね。強いチームが勝つわけじゃない。勝ったチームが強いんだと改めて思いました」とチームの保護者は話してくれました。
グラブと友だちに
今回エスエスケイはキャプテンSSKのイラストを描いたメンテナンスカーを出動させ、グラブのお手入れ方法についての講習を行いました。「日々グラブと会話してください」と語るのは、SSKベースボール担当者。自身、少年チームで監督を務める彼は、「グラブを毎日見ていたら気づくことがあります。紐が切れそうなら、そこからボールが抜ける恐れがある。雨にぬれたら水分を取って、泥汚れは落として。守備の時に味方になってくれるのは、グラブだけですから、会話して友だちになってください」と子どもたちに語りかけました。
講習後は即席のグラブお手入れ大会がスタート。子どもたちが列をなして、グラブメンテナンスを順番にしてもらう形に。「このグラブ、ネットで買ったんや。手入れ感とか見られずに大丈夫やったか?」、「何もお手入れしてないなあ。でもこれで生き返ったやろ。グラブも生きてるから、保湿してあげて、型を保ってあげると、守備も上手くなるで」などと会話しながら、たくさんのグラブを磨き上げました。生まれ変わったグラブを手にした子どもは、「次から自分でやってみる」や「違うグラブになったみたい。めっちゃ嬉しい」など、率直に感想を語ってくれました。
基本を見直すことの大切さ
キャッチボールクラシック後に行ったイベントでは、子どもはもちろん、大人も参加しました。「いつもは見られない監督やコーチ、お父さんのランニングを見てください」とマイクで語りかけたのは、イベントを統括したプレイスポーツの片岡良輔氏。発奮した大人たちは、子どもたちよりも速く走ったり、ヘッドスライディングで盛り上げてくれました。
イベント終了後、子どもや監督コーチ、保護者まで、幅広く語りかけていた片岡氏は、「普段は厳しい練習を積んできている子どもたちですから、今日みたいなイベントでは、少し違う観点で野球を楽しんでもらえたらと思いました。キャッチボールもスピードを競ってこそいますが、そのためには基本をしっかり見直すことの大切さに目を向けてもらいたいと思います。ベースランやロングティーでも、試合とは違う形で他チームの選手を見て、身近な目標にしたり、刺激にしてもらえたらな、と思います」と語りました。
優勝した御津少年野球クラブの監督は、「試合から派手なプレーはいらないと思っていて、キャッチボールも同じ。きちんと捕って、きちんと投げる。いいボールが来なかった時も、体をボールの正面に入れて、次に投げやすいように捕れるか。今回は他チームの好記録には及びませんでしたが、全国大会まで時間があるので、練習して臨みたいです。今日のように気持ちでプレーできるようにがんばりたいです」と話してくれました。
キャッチボールクラシックの都道府県予選は、これから秋にかけても続き、12月17日(日)に東京都八王子市で全国大会が開催されます。今回初めて単独イベントでの開催となるキャッチボールクラシックの全国大会に向け、SSKはキャッチボールクラシックのサポートを続けます。こうした活動の中で、キャッチボールやグラブメンテナンスなど、子どもたちが毎日野球と向き合うことで、野球が上手に、好きになってくれたらと思います。
キャッチボールクラシックとは
9人1組でキャッチボールの正確さとスピードを争う日本プロ野球選手会考案の新ゲーム。5人と4人に分かれた2チームが7m離れ、2分間で何回キャッチボールができたかを競う。
【キャッチボールクラシック公式サイト】