イラストレーター松下進、「夢の詰まったスタジアムへ」
SSK野球総合カタログは、イラストレーター松下進さんの描き下ろし。コロナ禍が続いている状況ながら徐々に落ち着きが見られ、スポーツも各種大会が行われるようになってきたことから、今回、「子どもの夢」をテーマに描いてもらいました。
■キャプテンSSKは松下進さんデザイン
松下進さんは、ゲーム情報誌『ファミ通』の表紙やガンバ大阪やサッカー日本代表のマスコットデザインで知られる。エアブラシを使った独特のアメコミ風なイラストが特徴で、1978年に『ポパイ』(当時、平凡出版・現、マガジンハウス)の表紙を飾ったことから、人気が高まっていった。
イラストレーターと言っても地位もまだ確立されてなかった時代、「ネームバリューをつけていかないと大きな仕事がもらえない。それなら、出版関係の仕事をしなくちゃいけないと、挿絵やイラストを出版社に売り込みに行った」ことから、松下さんのサクセスストーリーは始まる。
エスエスケイのキャラクターを描いてもらったのは、1987年から。「最初は、動物で運動神経がよさそうで強そうなもの、ということでゴリラのキャラクターから描きました。次に、ヒューマンなキャラクターがいいよね、と1994年にできたのがキャプテンSSKです。顔によって、好き嫌いが分かれるのが人間のキャラクター。そこで、マスクをつけることで無機的なものになれるんじゃない、かと挑戦したキャラクターでした。キャプテンSSKは、スポーツ万能でマッチョ。何でもチャレンジしていきたいという男の子の一番いいところを持っている人であり、夢の姿。そういう象徴だと思っています」と振り返る。
■夢の詰まったスタジアム
キャプテンSSKがスタートしてからでも29年が経過。キャプテンSSKの子ども時代を描いたキャプテンボーイや韋駄天のキャプテンドッグなど、キャラクターは広がった。競技も野球やサッカー、ハンドボールから、車いすソフトボールやアンプティサッカー、パラアーチェリーといった障がい者スポーツのイラストも。
SSK野球総合カタログは、松下さんの描き下ろしを採用。2016年には、プロ野球で打撃のタイトルを獲得した川端慎吾選手(ヤクルトスワローズ)と秋山翔吾選手(当時、埼玉西武ライオンズ)とのコラボイラストで話題にも。今年は、スポーツの各種大会が行われるようになってきたことから、「子どもの夢」をテーマに描いてもらいました。
松下さんは、「幼かった日に父親に連れられてスタジアムで感じたプロ野球の感動を今でも覚えています。美しかったスタジアムのカラー映像、強烈な打球音や大歓声は、私の大切な想い出のアルバムの1ページとして存在しています。そんな大切な感動を今の子どもたちにも味わってもらい、将来の『宝物』にして欲しいと思う気持ちを込めて、また将来、世界中の『宝物』になるプレーヤーが現れるかもしれないと云う『夢』を見ながら、2022年の表紙を描かせていただきました」と語ってくれました。
■松下進さんについて
1950年2月6日生まれ、東京都出身。ゲーム情報誌『ファミ通』の表紙や動物占いのイラスト、サッカー日本代表やガンバ大阪のマスコットデザインで知られる。エアブラシを使った独特のアメコミ風なイラストが特徴。2023年には画業50周年を迎える。