WORK

持ち前の全力プレーで
チーム目線の提案を

エスエスケイの自社ブランドといえば、まずSSK野球があげられる。来年75周年を迎える会社の屋台骨であるSSK BASEBALLに関わりたいと入社する社員は今も多く、営業の北條もそのうちのひとり。今回、社会人野球の地区予選会場に同行し、仕事について話を聞いた。

Hojo Hiroyuki 北條裕之

大阪本社勤務/大阪店販売四課所属
2019
4月入社 / 最終学歴:大卒、体育学部 / インタビュー:20249月実施

兄を追いかけた野球人生

甲子園の常連校から首都大学野球連盟の1部大学へと野球ひと筋の道を歩んだ北條だが、比較されてきた2歳上の兄のようにプロ野球選手になる夢は叶わなかった。「同じ高校ですし、比べられてしんどい思いもしましたが、兄がいたおかげで、がんばることができました。甲子園にも2回出場でき、成長に繋がった実感もあった。結果的にはプラスにすることができた」と笑う。

大学2年次に肩を痛め、思うようなプレーができなくなり、プロへの道は諦めた。大学卒業後は社会人野球でプレーを続ける選択肢もあったが、コンディション的に難しいと判断。「大学まで精一杯プレーしましたし、卒業後は社会に出て、野球に関わる仕事がしたいとエスエスケイに入社しました。高校時代からSSKの担当者と懇意にさせてもらったこともあり、仕事で恩返しがしたいと思った」とその動機を語る。

今は地元のソフトボールクラブで汗を流し、中学時代に所属したチームでコーチを務める。シーズン中は各カテゴリーの大会があり、予定が重なってくることも多い。「忙しい時はもちろんありますし、休日出勤をすることもありますが、そこはバランス。今年のお盆はずっと休みましたし、休みを楽しむためにも平日に全力で仕事をしています」と話す。

チームが求めることを提案

北條はSSK野球の販売販促を担当する営業として、大阪府下の高校から大学、社会人までの硬式野球チームを中心に自社商品の売り込みを行っている。チームへはスポーツショップの担当者と一緒に訪問することもあり、展示会のアテンドや野球専門店への商品提案も行っている。強化アイテムや売上目標、『チームに寄り添う』という方針はあるが、そのやり方はそれぞれに任せられている。

「やっぱり、チームが求めていることって強くなること、勝つことなんですよね。まず、そこに目線を合わせて、訪問したチームがどうすれば強くなれるかの提案を行うことを心掛けています。今は体水分量や筋肉量などを測定する装置を使った提案が多いですね。例えば、高校野球のトレンドのひとつとして、『選手の身体を大きくしたい』という流れがあります。バッティング時にボールの勢いに負けない体づくりで、『体脂肪率を2桁にする』と具体的な数値目標が立てられます」と淀みない。

「体調管理には、通常の練習に加えて、食事やプロテイン、トレーニングなど、いろんな要素が関わってきますが、選手によって体型も筋肉量も違うので、個別の取り組みが必要になり、個人の測定数値がその際に役立ちます。こうやってチーム強化の取り組みに参加させてもらうことで僕自身に興味を持ってもらえる。まずは信頼されるパートナーになれることを目指しています」と関係づくりに重きを置いている。

野球への感謝と感動

「今の仕事には、やっぱり高校や大学での経験が生きています。甲子園に出たっていうのも説得材料になるし、中学生のコーチをしていることもプラスに働いています。兄のことも含めて、野球関係者では初めて会う人でも話題に事欠かないというか、いろんな引き出しがあると思います」とした上で、相手の目線の立つことを常に考える。

こうした野球経験で培ったものに加えて、大阪本社に着任後、最初に担当した業務で学んだことが仕事のベースになっているという。エスエスケイではフロント業務と呼ばれる仕事で、商品の受発注やチーム対応商品のスケジュール管理、折衝などを社内で行う営業サポートである。「フロントとして働いた半年で、発注の流れや利益算出の基礎を学べた。営業に出た時に、コスト計算や納期へのレスポンスが早くなったのはこの期間のおかげ。大胆なところの多い僕に、きっちりとした仕事で信頼をつかむことを教えてもらった」と振り返る。

ずっと好きなことをやらせてもらったことへの感謝。大舞台に立てた感動。雪の日もバッティング練習を競ったチームメイト。今も話題が尽きない恩師。それに追いかけた兄の背中。そんな野球人生で手に入れてきたものを、次へと繋いでいきたい気持ちが、北條を突き動かす。「ボランティアで行う中学でのコーチもそうなんですが、すべて恩返しというか。僕が育ててもらった野球の楽しさをもっと広げたいし、野球を通じてたくさんの感動を分かち合いたいと思っています」と、北條はこれからも野球と共に邁進していく。