Sports Co-Creation

中村順司・名商大 総監督「根拠のある自信を」


dsc_3642

少年野球をがんばる家族を応援しようと、取り組みを進めているSSKでは、全国各地で少年野球教室を開催しています。この夏には、元PL学園監督で名古屋商科大学硬式野球部総監督の中村順司氏による中学生指導者に向けた講習会を東京都八王子市で開催しました。

キャッチボールは全ての基本

八王子市立第五中学校で開催した中学校指導者講習会には、21校から40名が参加。まず図書室で基本講座を、グラウンドでキャッチボール、ノックなどの実技指導を行いました。その中で、「全ての基本はキャッチボールにあります。それは小学生でもプロ野球選手でも同じ。キャッチボールは心のキャッチボールです」と、まずはキャッチボールの重要性から語りかけました。

  • dsc_3590
  • dsc_3609
  • dsc_3669

「試合での動きを想定して、キャッチボールは捕って投げるとき、必ず足を動かして」、「投げるときは腕を振るのではなく、指のレールに沿わせて流す感じで」、「グラブは手を奥までしっかり入れて」、「相手を思いやって捕りやすいところに投げて、受ける方は頑張って捕ってあげる」、「捕球の基本姿勢は合掌」などと細かくアドバイス。

その後、「自分の体のメカニズムを知ることで、正しく、ケガをしにくい動きができるようになります。ケガで野球を断念することが一番もったいない。キャッチボールをしっかり身につけることで、高校、大学、社会人と野球を続けていくことができます」と正しいキャッチボールをすることが、長く野球を楽しむことに繋がると持論を展開しました。

根拠のある自信をつけさせる

指導者向けの講習ということで、いかに選手を理解し、モチベーションをあげることができるか、という選手の内面についても話が及びました。「部活動で大切なこととして、声を出す、声を掛け合うことがあります。なぜ声を出すのか。それは、声を出すことで選手たちはリラックスすることができ、また声を発することで、自分自身が奮い立つことにもなります。その声出しの基本は、家での挨拶です」と説明。「朝起きて、『おはよう』と家で言っているかという、当たり前で見過ごされがちなことが、正しく心・技・体を育てることに繋がります」と説きました。

「指導者としては、プレーだけでなく、選手の内面に注意することも求められます。選手の気持ちがのっていないときは、無理をさせないように。無理をさせるとケガに繋がります。時には叱ることも必要になりますが、叱る時は逃げ道をつくっておいたり、併せて良い点を褒めることも必要です」と、選手が追い込まれたと感じないようにケアをすることが、今の時代には求められていると話しました。

  • dsc_3690
  • dsc_3694

「『ヒットを打ちたい』や『試合に出たい』、『勝ちたい』という気持ちで、練習を繰り返し、勝利する経験が、選手の成長に繋がります。そのため、選手には根拠のある自信をつけさせることが必要です。例えば、キャッチボールでも、試合に準じた動きを心がけることで、理に適った指導になったり、『これだけ練習したのだから大丈夫』だと、試合中に、練習してきたことを思い出させたりと、指導者には根拠のある指導を行うことが求められます」と、自らの経験をもとに、先生たちにリクエストしました。

少年野球をがんばる家族を応援しようと、取り組みを進めているSSKでは、選手対象の野球教室に加え、指導者講習会、審判講習会を行うことで、野球全体を盛り上げる取り組みとし、今後も継続して実施していきます。